福利厚生のポイント制度とは?仕組み・活用例から導入方法まで徹底解説

福利厚生のポイント制度とは?仕組み・活用例から導入方法まで徹底解説

福利厚生のポイント制度は、企業が従業員に一定のポイントを付与し、各自がポイントを使って自分に合った福利厚生メニューを自由に選択できる仕組みです。多様な価値観やライフスタイルに応じた支援が可能となる制度として注目されており、従業員満足度やエンゲージメントの向上に寄与します。

この記事では、ポイント制度の基本的な仕組みから、導入によるメリットや注意点、具体的な活用例、導入ステップまでをわかりやすく解説します。


目 次

福利厚生のポイント制度とは?

福利厚生のポイント制度とは?

まずは、ポイント制度の基本的な仕組みと、よく混同されがちな他制度との違いについて見ていきましょう。

ポイント制度=カフェテリアプラン?

福利厚生のポイント制度は、従業員に一定のポイントを付与し、そのポイント内で自分に合った福利厚生メニューを選択できる仕組みです。選択型福利厚生「カフェテリアプラン」の代表的な実施形式として知られています。

「カフェテリア」という名称は、社員食堂のように選べるイメージから生まれました。近年では働き方や価値観の多様化が進んでおり、画一的な制度ではなく、個別ニーズに応じた柔軟な支援が可能な点が評価され、導入する企業が増えつつあります。

インセンティブポイント制度との違い

福利厚生のポイント制度は、全従業員を対象に一定のポイントを付与する仕組みであり、個人のライフスタイルに応じた福利厚生を選択できる点が特徴です。一方で、インセンティブポイント制度は業績評価や表彰、成果報酬などをもとに、選ばれた従業員のみにポイントを付与する形式です。

前者は従業員満足や定着率の向上を目的とするのに対し、後者はモチベーション向上や業績向上が主な狙いとされています。制度設計においては、このような目的や公平性の観点を踏まえて、適切に使い分けることが重要です。

福利厚生にポイント制度を導入する3つの企業メリット

福利厚生にポイント制度を導入する3つの企業メリット 福利厚生のポイント制度は、従業員に柔軟な選択肢を提供するだけでなく、企業側にも多くの利点があります。ここでは、導入によって期待できる代表的な3つのメリットを紹介します。

従業員満足度・エンゲージメントの向上

福利厚生を自分のライフスタイルに合わせて選べることは、従業員の納得感や満足度の向上につながると考えられます。選択の自由があることで、自律性が高まり、働く意欲やエンゲージメントの向上が期待できるのもメリットです。

とくに「自分に合った支援が受けられる」という実感は、日々の業務へのモチベーションを支える要素にもなり得ます。また、ウェルビーイング(Well-being)の向上や「働きがいのある職場づくり」として、社内外から評価される可能性もあるでしょう。

採用競争力・定着率アップにつながる

選べる福利厚生制度は、柔軟で魅力的な職場環境の象徴として、求職者に好印象を与える傾向があります。

とくに若手人材は「自分らしい働き方」や「プライベートの充実」を重視する風潮があり、福利厚生の柔軟性が企業選びの決め手になるケースも少なくありません。「社員思いの会社」という印象を与えることで、企業のブランディングにも好影響が期待できます。

さらに、従業員が自分に合ったサポートを受けられる環境は、働き続けたいという気持ちの維持につながりやすく、定着率の向上にも寄与します。

予算管理しやすく効果測定も可能

ポイント制度では、従業員に付与する年間ポイント総量をあらかじめ設定できるため、福利厚生費の予算上限を明確に定めやすいことが特徴です。

また、各メニューの利用状況をデータとして可視化できるため、人気のサービスや利用されにくい領域も把握しやすくなります。こうした分析結果をもとに制度内容を改善すれば、より効果的な運用へとつなげやすくなるのもポイント制度の利点です。

さらに、一定の条件を満たせば非課税扱いにできるケースもあり、税務上のメリットが得られる可能性もあります。制度の「見える化」と「調整のしやすさ」は、企業側にとっても大きなメリットといえるでしょう。

福利厚生のポイント制度で注意すべきポイント

福利厚生のポイント制度で注意すべきポイントポイント制度は柔軟性が高い一方で、設計や運用方法によっては思わぬトラブルや不公平感を招く恐れもあります。ここでは、導入・運用時に注意すべきポイントを解説していきます。

ポイント配分設計は公平性への配慮が必要

ポイントの配分方法にばらつきがあると、不公平感が生じる可能性があります。たとえば、職級や勤務形態の違いによってポイント数に差がある場合、従業員の納得感を損なうリスクが否めません。配分に差があると、税務上「現物給与」とみなされる可能性もあり、課税対象となる恐れもあります。

公平性や税務対応の観点からは、全従業員に一律のポイントを付与する設計が望ましいとされています。制度の信頼性を高めるためにも、こうした視点を事前に考慮しておくことが重要です。

管理が煩雑になりがち

ポイント制度は柔軟性が高い反面、有効期限や残ポイントの管理、未使用分の対応など、管理面での煩雑さをともなうことがあります。自社で制度を運用する場合は初期費用を抑えられますが、トラブル対応や利用状況の集計に時間がかかることもあるでしょう。

そうした負担を軽減したい場合には、外部の代行サービスの活用を検討するのも一案です。メニューの整備からポイントの配布・管理まで一括で対応してもらえるため、業務の効率化にもつながりやすくなります。自社の規模や運用体制に応じて、どの方法が適しているかを見極めることが大切です。

ポイント制度の具体的な活用メニューと支援領域

ポイント制度の具体的な活用メニューと支援領域

ここでは、ポイント制度でよく導入されている主なメニューを、支援領域別に見ていきましょう。

健康支援に活用できるポイントメニュー

ポイント制度は、従業員の健康づくりを支援するメニューにも活用できます。たとえば、ジムの法人会員制度や健康診断のオプション追加、オンライン健康セミナーの受講などが対象となる場合があります。こうしたメニューを活用すれば、欠勤リスクの低減や業務効率の改善が期待できるでしょう。

企業が健康経営に取り組む姿勢を示すことは、社外からの評価向上や採用活動にも好影響をもたらす可能性があるのもポイントです。

COSPAウエルネスでも、健康支援に特化した法人向けサービスを提供していますので、ぜひ以下からご確認ください。

COSPAウエルネスの企業さま向けサービス

生活サポートに活用できるポイントメニュー

ポイント制度は、従業員の日常生活を支えるメニューにも広く活用されています。たとえば、社員食堂の利用補助や外食クーポン、育児支援サービスなど、支援内容も多彩です。

こういったメニューは日々の生活のなかで直接的な恩恵を実感しやすく、従業員満足度の底上げにもつながりやすい点がメリットです。また、生活基盤を支える取り組みは、働きやすさの継続や定着促進にも効果があるとされ、長期的な人材維持にも寄与する可能性があります。

自己成長・余暇支援に活用できるポイントメニュー

ポイント制度は、従業員のスキルアップやリフレッシュを目的としたメニューにも活用されています。具体的には、資格取得支援、セミナー参加費、語学学習などの自己啓発系から、旅行・レジャー・趣味活動といった余暇支援系まで、幅広い選択肢が用意されています。

こうした支援は、従業員の成長意欲を後押ししながら、心身のリフレッシュにもつながることが特徴です。学びと余暇の両面から働く人の充実度を高められるため、モチベーションの維持やエンゲージメント向上にも寄与することが期待されます。

福利厚生にポイント制度を導入・運用する4つのステップ

福利厚生にポイント制度を導入・運用する4つのステップ

福利厚生でポイント制度を効果的に運用するには、導入前の設計段階から丁寧に準備を進めることが重要です。ここでは、制度の設計から改善まで、導入時に押さえておきたい4つのステップを解説します。

STEP1:導入目的と制度設計の方針を明確にする

ポイント制度を採用するには、まずは導入する目的や狙いを明確にしておくことが重要です。たとえば「従業員満足度の向上」や「人材の定着促進」など、具体的なゴールを設定することで、制度設計の方向性が定まりやすくなります。

そのうえで、従業員ニーズのヒアリングや既存制度との比較をおこない、必要な支援領域を整理しましょう。予算上限を設定したうえで、利用頻度や社員数に応じて「定額制」「チケット制」などの契約形態やメニュー構成を選ぶと効果的です。

STEP2:運用方法を検討する

ポイント制度は、企業規模が大きい場合や制度の構築や管理にかかる手間を省きたい場合は、外部支援サービスの活用が効果的ですが、ポイント制度は自社で運用することも可能です。

まずは、自社運用と外部委託の違いを整理し、業務負担軽減の効果や運用効率を比較してみましょう。そのうえで、どちらの方式が自社にあっているかを検討することが大切です。

STEP3:社内ルールを整備し、試験導入から始める

福利厚生でポイント制度を円滑に運用するためには、社内規程や利用ルールの整備が欠かせません。まず対象者や利用方法、ポイント付与基準などを明文化しましょう。それから従業員向けのガイドラインや説明資料を用意し、制度内容をわかりやすく周知することが大切です。

また、いきなり全社導入するのではなく、一部メニューに限定したスモールスタートで試験的に導入する方法も有効です。実際の運用を通じて課題や改善点を洗い出し、制度をブラッシュアップしたうえで本格導入に移行するのがおすすめです。

STEP4:制度の利用状況を分析し、改善を重ねる

ポイント制度は導入して終わりではなく、継続的な見直しと改善が重要です。まずは、利用率や人気メニュー、未利用層の傾向などを定期的に分析し、制度の運用状況を可視化しましょう。

従業員アンケートやフィードバックを取り入れることで、制度への満足度や潜在的な課題を把握しやすくなります。制度の定着には、それらの結果をもとに、新メニューの追加やポイント配分の見直しなど柔軟な改善策を講じることが有効です。利用促進キャンペーンなどの施策もあわせて実施すれば、より高い活用率が期待できます。

福利厚生のポイント制度に関するよくある質問

福利厚生のポイント制度に関するよくある質問

ここでは、福利厚生のポイント制度に関してよくある質問とその回答を紹介します。

ポイント制度は中小企業でも導入できますか?

ポイント制度は大企業向けの制度と思われがちですが、実際には中小企業でも問題なく導入できます。たとえばポイント付与の範囲や対象メニューを限定するなどの工夫をすれば、少ない予算でも効果的に制度を運用することが可能です。

企業規模が大きい場合や運用負担が重いと感じるときには、外部サービスを活用すると、制度導入にかかる手間や知識のハードルも下げられます。

福利厚生のポイント制度の対象者はパートや契約社員も含めるべき?

福利厚生のポイント制度の対象を正社員のみに限定するケースもありますが、公平性や税務上の観点からは、契約社員やパートタイム労働者も対象に含めることが望ましいとされています。全従業員を対象とすることで、制度に対する不公平感を抑えられるだけでなく、非課税の福利厚生費として扱いやすくなるメリットもあります。

対象範囲を社内規程に明記しておけば、制度の透明性や運用の安定性が高まり、従業員からの信頼にもつながりやすくなるでしょう。

付与したポイントの有効期限や繰り越しはどう設定するべき?

ポイントの有効期限や繰り越しルールは、制度設計段階で明確に定めておくことが重要です。たとえば「1年間で失効する」「翌年度に一定数まで繰り越せる」など、あらかじめ条件を設定しておくことで、運用時の混乱を防げます。

失効型は管理が簡単な一方で、従業員の満足度に影響を与える可能性もあるため、実態に合ったバランスが求められます。また、ルールを周知しやすいように社内マニュアルや説明会などを活用し、理解を促す取り組みも重要です。

まとめ

まとめ福利厚生のポイント制度は、従業員一人ひとりのニーズに対応できる柔軟な制度として、多くの企業で導入が進んでいます。満足度やエンゲージメントの向上に加え、採用競争力の強化や制度運用のしやすさといった多面的なメリットが期待できる点も魅力です。

一方で、制度設計や管理方法には配慮すべきポイントも多く、外部のサポートを受けながら、計画的な導入が重要といえるでしょう。

なお、COSPAウエルネスでも、福利厚生制度を支援する以下のような法人向けサービスをご用意しています。

  • フィットネス施設の法人契約

    企業規模や営業範囲に応じ、複数拠点での利用に適した「共通法人会員プラン」、特定の施設に限定して利用できる「個別法人会員プラン」、さらに全国の提携施設を活用できる「広域対応プラン」など、自社に最適なプランをお選びいただけます。

  • オフィスジムの開設支援

    職場にいながら運動ができる「オフィスジム」の開設をサポートします。フィットネスマシンやストレッチ用設備の導入を通じて、従業員が日々の業務の合間に体を動かせる環境づくりをお手伝いします。

  • 出張・オンライン健康セミナー

    健康づくりをテーマにしたセミナーを、オンラインまたは対面で開催しています。「生活習慣病予防」「栄養バランス」「肩こり・腰痛対策」など、実用性の高い内容を幅広くご提供可能です。

  • 出張測定イベント(運動指導)

    筋力・柔軟性・体組成などの健康指標を測定し、その結果に基づいた運動アドバイスを現地でご提供するプログラムです。

  • 企業向けオリジナル体操

    デスクワーク中心、立ち仕事中心など、職種や業態に合わせて設計された「企業オリジナル体操」をご提案します。

企業の健康経営を強力にサポートするこれらの取り組みは、従業員の意欲向上や組織の活性化にもつながります。福利厚生のポイントメニューとして、ぜひご導入をご検討ください。





タグ一覧tags