以前よりもだんだんと聞く機会が増えてきた「腸活」。
腸活という名前は聞いたことがあるけど、実際にどのような活動を行うのか詳しく知らない方は多いのではないでしょうか。
今回は実際に腸活とはどのようなことをするのか?そして、腸活を行うことによりどのような効果が期待できるのか?
腸の働きについても簡単に紹介しつつ、腸活の全貌をお話していきたいと思います。
腸活とは
腸活とは鈍ってしまった腸の悪循環な働きを断ち切り、本来の好循環な働きへと切り替えるための活動です。
腸は第二の脳ともいわれている臓器であり、腸と脳は迷走神経(めいそうしんけい)と言われる神経細胞で繋がっているので、人間の身体に与える影響も大きい為、現在腸活を意識している方々が増えています。
腸の働きとは
腸活のお話の前に腸の働きについても少しお伝えしますが、腸は主に3つの働きがあります。
- 消化・吸収
- 排便
- 細菌の育成
■腸の働き①「消化・吸収」
腸の中でも小腸で消化酵素や膵液(すいえき)で食べ物を分解し、栄養素を吸収します。
また、食べ物から栄養素を取り入れた後は、食物繊維と残りカスが大腸に運ばれることになります。
■腸の働き②「排便」
先ほどお伝えした残りカスと以外にも、新陳代謝で剥がれ落ちた古い細胞や仕事を終えて亡くなった腸内細菌の死骸などが便となって排便されますが、これは大腸の働きです。
■腸の働き③「細菌の育成」
消化・吸収や排便については腸の働きとして認識されていることが多いのですが、実はそれだけでなく腸内細菌をとどめて育てるという働きもあります。
これは小腸と大腸の両方で行われていて、小腸では低酸素状態を好む腸内細菌、大腸では無酸素状態を好む腸内細菌が育っています。
これら「消化・吸収」「排便」「細菌の育成」と3つの腸の働きをバランス良くサポートすることが腸活の大切な部分です。
腸活で期待できる5つの効果とは
では、腸活を行うことによりどのような効果を期待できるのかについてお話していきたいと思います。
腸活と聞くと「便秘改善かな?」と想像がつくかもしれませんが、それだけではなく日々を快適に暮らしていけるうれしい効果がたくさんあります。
- 便秘改善
- ダイエット
- 美肌
- 免疫力アップ
- 精神が安定する
では、一つずつお伝えします。
■腸活の効果①「便秘改善」
腸活を行っていくことにより、腸内環境が整い腸が本来の力を発揮できると、今まで腸にたまっていた便も排出されるようになり、便秘が解消するといった効果に期待ができます。
■腸活の効果②「ダイエット」
腸活を実践していくことにより、腸内細菌のバランスが良くなっていき、脂肪をためにくく痩せやすい体質になることが期待できます。
腸活関係で最近耳にする言葉としては「痩せ菌・デブ菌」というワードですが、腸活を行うことによりデブ菌の活動を抑えて、痩せ菌の活動を活発にするとイメージしましょう。
■腸活の効果③「美肌」
肌荒れの原因は、腸が関係しているといわれています。
腸内に便(宿便)が溜まっていると異常発酵して毒素を出してしまうのですが、この毒素を腸が吸収し血流に乗り全身に運ばれ、その結果肌荒れが起きます。
腸活で便秘が改善されることにより、腸がしっかりとした栄養を吸収し全身に届けることができるので、これにより肌荒れが改善する効果に期待できます。
■腸活の効果④「免疫力アップ」
実は、腸には免疫細胞の約70%が存在しているのですが、それだけではなくその免疫力を高める機能があると最近の研究で分かったといわれています。
腸活により腸内環境を整えることで、免疫力が上がり病気になりにくい身体づくりをしていくことができます。
■腸活の効果⑤「精神が安定する」
腸と脳は迷信神経で繋がっています。
腸から指令を出し脳でコントロールされているのですが、その神経伝達物質であるセロトニン(幸せホルモン)が精神の安定に関わっています。
腸活を行い腸内環境が整うことで、このセロトニンの分泌量が安定し精神が安定するという効果を期待できます。
腸活で大切な3つのポイントは「食事・睡眠・運動」
では、実際に腸活を行うには、どのようなことをすればいいのか?腸活で重要なことはずばり「食事」「睡眠」「運動」です。
どれか一つだけを行うというよりは、これら3つのポイント全てをバランス良く行うことが大切です。
■腸活のポイント①「食事」
腸活で意識したい食事のポイントは、バランスの良い食事を摂りつつ発酵食品も食べていくことです。
バランスの良い食事とは「野菜・穀物・肉と魚・油」を摂ることですが、そのバランスは「野菜(50%)・穀物(20%)・肉と魚(30%)・油(男性50g/1日、女性40g/1日が目安)」です。
<野菜>
旬の野菜を選ぶことにより、おいしく栄養価の高い食材を食べることができます。
<穀物>
白米よりは玄米や雑穀米のがビタミン・食物繊維が豊富でおすすめです。
<肉や魚>
主にタンパク質の摂取として食べる肉と魚ですが、タンパク質は大豆や乳製品からも撮ることができます。
また、肉よりはオメガ3脂肪酸を多く含む魚のが腸活には向いています。
油なんて摂る必要があるのか?と思われがちですが、身体にとっては必要な栄養素であり、肉や魚からも油は取れますが先ほどお伝えした通り魚のオメガ3脂肪酸が含まれている油がおすすめです。
加熱調理ならオリーブオイルが酸化しにくいのでおすすめであり、加熱しない調理ならエゴマ油・アマニ油がおすすめです。
また、発酵食品は腸活にとてもおすすめな食べ物ですが、その中でもぬか漬けが特におすすめです。
ぬか漬けには乳酸菌・酪酸菌・酵母菌など腸内細菌が喜ぶ菌が豊富に含まれています。
善玉菌の種類の多さでは、ぬか漬けとキムチが世界的に見てもトップクラスの発酵食品と言われています。
■腸活のポイント②「睡眠」
睡眠も身体の機能に色々と関係しておりますが、先ほどお伝えした様に脳と腸は迷走神経で繋がっておりますので、睡眠不足で脳に影響がいくと腸にまで悪影響が起きてしまう恐れがあります。
睡眠についてそこまで意識して考えることはなかったという方も多いかと思いますが、世界と比べて日本人の平均睡眠時間はかなり短いので十分な睡眠をとる様に心がけましょう。
では十分な睡眠とはどのくらいなのか?というと、少なくとも6時間以上と言いたいところですが個人差もあるので、昼間に眠気を感じないぐらいの睡眠をとる様に心がけたいものです。
また、睡眠の時間だけでなく質も意識していくと良いでしょう。
ここでは睡眠の質を上げる、または下げることについていくつか紹介していきたいと思います。
■睡眠の質を上げること
では、まずは睡眠の質を上げることについて紹介します。
<入浴>
私たちは入浴して体温が上がり、その後徐々に体温が下がってくる時に眠気を感じますので、このタイミングで寝ることにより睡眠の質が上がります。
<軽い運動>
寝る30分から1時間前ぐらいに、心拍数が上がらない程度のストレッチなどを行うと、血行促進・リラックス効果があり睡眠の質があがります。
■睡眠の質を下げること
では、続けて睡眠の質を下げることについて紹介します。
<食事の時間>
睡眠の質を下げる要因として、血糖値の急上昇が挙げられますので、寝る3時間前までには食事を済ましておくことをおすすめします。
<寝酒>
寝酒は酔いにより眠りには入りやすくなりますが、睡眠自体の質は低下します。
<就寝時のスマホ>
スマホやパソコンはブルーライトという強い光が出ていて、これは脳を刺激する為、眠りに入るのを妨害します。
<照明の明るさ>
脳は暗い場所だと寝る時間だと判断するため、逆に明るい場所だと寝つきが悪くなります。
■腸活のポイント③「運動」
運動と聞くと、ランニングをしたりプールに行ったりと敷居が高く感じる人もいるかと思いますが、腸活における運動とはもっと程度の低いものです。
まず、意識したいことは「姿勢と呼吸」です。
姿勢が悪いと内臓を圧迫してしまったり、身体の各所に余計な負担をかけたりしてしまいますので、背中が反りすぎない程度に意識して正しい姿勢を維持するように心がけましょう。
また、呼吸は自律神経に関わりがあり、深くゆっくり呼吸することで副交感神経が刺激され腸の働きをサポートしてくれます。
呼吸と聞くと深く息を吸うことに意識が行きがちですが、吐くことにも意識を向ける様にしましょう。
また、呼吸は口呼吸ではなく鼻呼吸が基本です。口呼吸は口の粘膜が乾燥しやすくなり風邪などひきやすくなるので注意が必要です。
その他の運動としては、全身のストレッチなどもおすすめですが、部分的にお伝えするなら「ふくらはぎ」です。ふくらはぎには血流ポンプの働きがあり、ふくらはぎの筋肉が収縮することで血液を送り出しています。
その為ふくらはぎを鍛えることで全身の血行が良くなるので、ふくらはぎに多少の負荷がかかる運動をすることがおすすめです。
腸活についてのまとめ
腸活とは、腸を本来の好循環な働きへと切り替えるための活動であり、主に食事・睡眠・運動により改善していきます。
現代人の多くは、食事・睡眠・運動とどれも本来の形ではなく、腸に対してダメージを与えるような生活習慣になっているケースが多く、そういったことから腸活に意識を向ける方々はだんだんと増えてきています。
腸は第二の脳ともいわれている臓器であり、身体に大きな影響を与えるので、これを機に腸活を心掛け心身ともに健康な生活を送ってみてください。