普段生活していると周りから便秘というワードをよく聞くかと思いますが、よく聞くワードの便秘だからといってその状態を軽く見ずに率先して便秘を改善していきましょう。
今回は便秘の定義について改めてお伝えし、その後、便秘による身体に起きるデメリットを紹介し、最終的には便秘の種類の解説とそれらの便秘タイプ別におすすめな改善方法を紹介していきたいと思います。
便秘の定義「どのくらい排便がないと便秘なのか?」
便秘というワードはよく聞きますが、実際にどのぐらい排便がないと便秘という状態になるのか?定義までは知らない方のが多いと思います。
実は2日~3日に1回は排便がある状態であれば、便秘ではなく正常な範囲であり理想は1日1回以上です。
なので、2日間も排便がなく便秘を疑っている方は、この定義より自分は正常な範囲内であることを認識すると良いでしょう。
便秘により身体に起きる嫌な症状
周りにも便秘の方が多くいるので、便秘は大したことではないと思っている方もいるかもしれませんが、便秘による身体に起きる嫌な症状は多くあります。
- 太りやすい体質になる
- 肌荒れしやすくなる
- 免疫力が下がる
- 精神的に悪影響になる
これらが便秘によるデメリットの代表例です。一つずつ紹介していきます。
■便秘によるデメリット①「太りやすい体質になる」
便秘により腸内環境が悪化することにより、代謝が下がってしまうことも太りやすくなる要因の一つです。
また、腸内環境の話を分かりやすくするために使われている「痩せ菌とデブ菌」というものがあり、腸内環境が悪化するとこのデブ菌が活発に活動する様になります。デブ菌は脂肪を吸収しやすいだけでなく、体内にため込みやすくしてしまうので、その結果太りやすい体質となってしまいます。
■便秘によるデメリット②「肌荒れしやすくなる」
肌荒れの原因は、腸が関係しているといわれています。
腸内に便(宿便)が溜まっていると異常発酵して毒素を出してしまうのですが、この毒素を腸が吸収し血流に乗り全身に運ばれ、その結果肌荒れが起きます。
便秘が改善されることにより、腸がしっかりとした栄養を吸収し全身に届けることができるので、これにより肌荒れが改善する効果に期待できます。
■便秘によるデメリット③「免疫力が下がる」
実は、腸には免疫細胞の約70%が存在しているのですが、それだけではなくその免疫力を高める機能があると最近の研究で分かったといわれています。
便秘を改善し腸内環境を整えることで、免疫力が上がり病気になりにくい身体づくりをしていくことができます。
■便秘によるデメリット④「精神的に悪影響になる」
腸と脳は迷信神経で繋がっています。
腸から指令を出し脳でコントロールされているのですが、その神経伝達物質であるセロトニン(幸せホルモン)が精神の安定に関わっています。
便秘を改善して腸内環境が整うことで、このセロトニンの分泌量が安定し精神が安定するという効果を期待できます。
4種類の便秘タイプ「自分の便秘タイプに合わせた改善法を」
一言に便秘と言っても、その種類は大きく分けて以下の4種類になります。
- ストレス型
- 腸のぜんどう不全型
- 直腸・肛門型
- 複合型
便秘のタイプにより対策が変わってくるので、自分はどのタイプの便秘なのか判断して便秘改善に向かっていってください。
■便秘タイプ①「ストレス型」
ストレスが原因で自律神経が乱れてしまい、その結果便秘になっている方はストレス型の便秘です。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」とあり、交感神経とは興奮モードの時の神経で日中をピークに働きが高まります。
逆に副交感神経とはリラックスモードの時の神経で夜に働きが強くなります。
これらはどちらかが高い働きをしている間は、もう片方の働きは低くなるのですが、このバランスが保たれているのが正常な状態です。
胃腸などの消化器官は、副交感神経が優位な時に活発に働くのですが、ストレスが溜まっていると交感神経の働きが高い状態が続くため、消化器官の働きが弱くなってしまい、その結果便秘になってしまうという流れです。
そんなストレス型の便秘の方の対策は「自律神経のバランスを整える」と「腸活におすすめな食事を摂る」の2パターンです。
<自律神経のバランスを整える>
凄く簡単にお伝えすると、ストレスにより交感神経優位な状態が長いのが原因なので、ストレスをためずにリラックスできる生活習慣を心掛けましょう。
自律神経のバランスを整えるおすすめな生活習慣は以下です。
- 朝、歯を磨いた後に、コップ1杯の水を飲む
- 朝の日光を浴びる(できれば窓越しではなく直)
- 朝食の時間にゆとりを持つ
- 1日3食きちんと時間を守って食べる
- 深呼吸を定期的に行う(吐くことにも意識を向ける)
- 寝る3時間前までに食事を済ませる
- 日常的に軽い運動を心がける
- 38℃~40℃のお湯で、半身浴を15分ほど行う
- 腸のゴールデンタイム(深夜0時)までに寝る
- 寝る時の環境は自分が癒しを感じる様にする
- 朝、トイレにゆっくり入れる時間を確保する
<腸活におすすめな食事を摂る>
食生活を見直すことは自律神経を整えることにも役立ちますし、腸への気遣いもでき便秘解消に繋がります。
まずは水溶性の食物繊維を摂ることが大切で、水溶性の食物繊維とは水に溶ける食物繊維で果物・イモ類・根菜類・こんにゃく・海藻類などです。これらは腸内で善玉菌の栄養となり悪玉菌の繁殖を抑えてくれる働きがあり、その上、便の水分を増やして柔らかくしてくれるので一石二鳥です。
また、発酵食品も善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれるのでおすすめで、善玉菌のエサになる発酵食品はヨーグルト・牛乳・チーズ・ぬか漬け(漬物)・キムチ・マッコリ・発酵バター・みそなどです。
■便秘タイプ②「腸のぜんどう不全型」
では、続いて腸のぜんどう不全タイプの便秘についてお話します。
私たちが食べ物を食べると胃で消化され腸に流れていきますが、この腸で食べ物を移動させるために尺取虫(しゃくとりむし)の様にぐにょぐにょと伸縮を繰り返しいます。この動きをぜんどう運動というのですが、この動きが低下してしまうと食べ物が腸内で先に進まなくなり便秘になります。
また、食べ物が腸内に長く留まると異常発酵(腐敗)して毒素を出します。この状態は悪玉菌を増やしてしまい、腸内環境が悪化してしまします。
そんなぜんどう不全タイプの便秘を解消するには、まずは先ほどと同じで自律神経のバランスを整えるおすすめな生活習慣を行うことです。
後は副交感神経を上げる為に簡単なストレッチや体操をしましょう。
伸びをして全身を伸ばしたり、手首や足首も回すようにしましょう。
それら以外にも、腸のぜんどう運動を促すために身体をひねり腸を刺激したり、呼吸を止めない様に腹筋をしたり、うつ伏せに寝て上体起こしをしたりすることもおすすめです。
■便秘タイプ③「直腸・肛門型」
複合タイプ以外では最後の便秘タイプとなる直腸・肛門型の便秘についてです。
通常は便が直腸にたまってくると肛門括約筋が反応して脳に排便の指示をだすのですが、この肛門括約筋の反応が鈍ってしまうと便意を感じなくなり便秘となってしまいます。
肛門括約筋には「内肛門括約筋」と「外肛門括約筋」と2種類あり、これらが押し合うことで脳に排便のサインが送られます。
では、直腸・肛門型の便秘を改善させるにはどうすれば良いのかというと、肛門括約筋を鍛えるトレーニングとして、またわり股割りをしたり肛門ツイスト を行いましょう。
それ以外の対策としては、ここまでにお話した自律神経のバランスを整えるおすすめな生活習慣を取り入れたり、腸内環境を整える食事を心掛けたりしましょう。
■便秘タイプ④「複合型」
また、ここまでにお話させていただきました「ストレス型」「腸のぜんどう不全型」「直腸・肛門型」の3種類の便秘タイプのうち、2つ以上を複合している便秘タイプを複合型と呼びます。
一概に自分がどの便秘タイプか判断つかない場合は、この複合型の可能性が高いのでここまでにお話した内容を一通り意識して生活していくことがおすすめです。
便秘の種類と改善方法のまとめ
2~3日に1回は排便がある場合は通常な範囲であり、それ以上に排便がない方は便秘の症状です。
理想は毎日排便があることですが、2日に1回ぐらいなら便秘とは定義上は言わないので、ご安心ください。
また、便秘になるとデメリットが多く、太りやすくなって肌荒れが起きる。
それ以外にも免疫力が下がり、精神的にも悪影響があります。
便秘は改善した方が良いので、まずは自分の便秘のタイプが「ストレス型」「腸のぜんどう不全型」「直腸・肛門型」「複合型」のどれにあたるのかを判断し、それぞれの対処法を生活に取り入れていき便秘解消へ向かっていってください。