疲れにくい身体をつくるための方法を解説

 夏も終わりに近づき、「スポーツの秋」がやってきます。
 「涼しくなったら、ランニングに挑戦してみよう」と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 今回は、そんなランニングなどの持久力系の競技をされる方へ持久力アップのための食事についてご紹介します。


持久力アップのための食事

 ランニングをはじめとする持久力系の競技は、自分の身体を過酷な状況へ追い込むため、大量のエネルギーが必要になります。
 エネルギー源は、主に糖質と脂質ですが、長時間に渡ってハードな練習・競技を行う場合は、脂肪よりも糖質が使われやすく、筋グリコーゲン(筋グリコーゲン:筋肉中に蓄えられた糖質)の量がゼロに近くなると疲労困憊になってしまいます。
 そのため、「エネルギー(筋グリコーゲン)をどれだけ体内に貯蔵し、すみやかに回復できるか」が、持久力をアップさせ、長い競技時間を耐え抜くポイントになります。

 また、消費したグリコーゲンは、食事によって回復しないと“疲れ”として残ってしまいます。
 持久系の競技では、グリコーゲンを使い果たしてしまう(疲労困憊になる)ことも珍しくないため、しっかりと食事で糖質を補いましょう。

◇持久力アップのために意識して取りたい栄養素◇

〇糖質
糖質は貯えられる量に限りがあるため、毎食の食事で補給しましょう。
また、トレーニング後30分以内に糖質を摂ると、グリコーゲンの回復速度が速まります。

〇ビタミンB1
豚肉などに多く含まれるビタミンB1は、糖質の代謝を助け、疲労回復にも役立ちます。

〇鉄、カルシウム
鉄とカルシウムは長時間のトレーニングによる発汗で失われてしまうため、意識して摂るようにしましょう。

三食の食事だけでは栄養を補給しきれない場合は…

 「間食」を活用し、足りない栄養を補給しましょう。
 気を付けたいのは、「おやつ」と「間食」は“別もの”ということです。
 ケーキは糖分の補給にはなりますが、糖分以外の栄養素はほとんどなく、生クリームやバターで脂質を摂り過ぎになってしまう可能性もあります。
 おやつは、あくまで「心の栄養」で「からだの栄養」にはなりません。
 間食には、果物やおにぎりなどを利用し、練習で失われた糖質を補給するようにしましょう。

すぐに疲れてしまう体質を改善したい場合は…

 疲労物質の代表として扱われる乳酸は、糖質をエネルギーとして使用した時にできる副産物です。
 この乳酸は有酸素運動の際のエネルギー源としても利用されることが分かってきていますが、体内に蓄積すると体内が酸化して筋肉の働きを妨げます。
 激しい運動によって生産される乳酸の量に代謝が追い付かないと、筋肉内に溜まってしまい、疲労の原因になります。
 疲労感を残さないためには、乳酸の代謝のサイクルを上げることが重要です。
 ビタミンB1は、乳酸の代謝に必要な栄養素です。
 また、BCAA(分岐鎖アミノ酸)やクエン酸も疲労回復に有効ですので、エネルギー補給の際に取り入れましょう。
 さらに、血行を促し、休息をしっかりとることも疲労を残さないために大切です。
 マッサージや入浴によって血行を促して、筋肉の緊張を和らげ、乳酸の代謝を促しましょう。


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