近年、経営戦略のひとつとして注目を集めているのが、従業員の健康維持に取り組む「健康経営」です。なかでも企業が提供する「福利厚生」は、従業員満足度の向上や優秀な人材の採用・定着に重要な役割を果たします。
本記事では、健康経営の成功に欠かせない「福利厚生サービス」の最新ランキングをもとに、注目すべきトレンドや具体的な施策例などを紹介していきます。福利厚生を見直す流れも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目 次
【最新】福利厚生人気ランキングTOP10!
株式会社ベター・プレイスが2024年8月におこなった調査によると、企業に導入してほしい・注力してほしい福利厚生のランキングは以下のとおりとなっています。
順位 | 福利厚生の種類 |
---|---|
1位 | 社宅・住宅手当・家賃補助 |
2位 | 通勤手当 |
3位 | 健康診断、人間ドック補助 |
4位 | 長期休暇(リフレッシュ休暇など) |
5位 | フレックスタイム制度・時短勤務制度 |
6位 | 社員食堂・食事補助 |
7位 | スキルアップ、資格取得支援 |
8位 | 慶弔・災害見舞金 |
9位 | 看護・介護休暇制度 |
10位 | 企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、iDeco+ |
※ベタープレイスの調査内容をもとに作成
出典元:ベター・プレイス調べ
大企業も中小企業も、順位に大きな違いはありません。つまり企業規模にかかわらず、従業員が求めるものは共通しているといえます。
次章では、このランキングからわかる福利厚生のトレンドを解説していきます。
ランキングからわかる福利厚生のトレンド
福利厚生は、時代や社会の変化とともに、トレンドも変化しています。ここでは、ランキングからわかる福利厚生のトレンドについて3つの視点から解説します。
健康づくり対策への期待
コロナ禍以降、従業員の健康意識が飛躍的に高まり、予防医療やメンタルヘルス施策の重要性が増しています。特に、健康データの積極的な活用や健康診断の充実を推進する企業が増加中です。
また、リフレッシュ休暇など、心身のリカバリーを支援する福利厚生も人気です。これらの取り組みは従業員満足度を高めるだけでなく、「健康経営優良法人」の認定取得にもつながり、企業イメージの向上にも寄与します。
多様な働き方への対応
近年、働き方改革の推進にともない、オフィス勤務とテレワークを組み合わせたハイブリッドワークが一般化しています。この柔軟な働き方に対応するため、フレックスタイム制やリモートワーク環境の整備に加え、育児や介護といったライフイベントを支援する制度も企業に求められるようになりました。
ライフワークバランスを重視する人が増えた現在、多様な働き方を許容し支援することは、競争力向上に直結する重要なポイントといえるでしょう。
ライフステージに合わせた支援
従業員のライフステージに応じた柔軟な支援も、企業の福利厚生施策において欠かせない要素となっています。
例えば、若手社員にはスキルアップ支援や住居補助、子育て世代には時短勤務を提供することで、仕事と家庭の両立の支援が可能です。さらに中堅層には介護支援や財形貯蓄の導入、シニア層には退職後の生活を支える確定拠出年金やiDecoなど、ライフステージに合わせた支援が求められます。
各ステージに合わせたサポートは、従業員に安心感を提供し、長期的な定着や企業全体の生産性向上を促します。
福利厚生を充実させることで得られるメリット
ここでは、企業が福利厚生を充実させることで得られる具体的なメリットを、3つの観点から解説します。
生産性が向上する
福利厚生の充実により従業員の健康を維持し、柔軟な働き方を実現すると、集中力や効率が高まります。心身ともに安定した状態を保つことは、創造性や生産性の向上にも直結します。
従業員が安心して仕事に専念できる環境を整えることで、チーム、ひいては企業全体の成果が向上する効果も期待できるでしょう。
離職率が下がり採用率が高まる
優れた福利厚生を提供する企業は、従業員に「働き続けたい」と思わせる魅力があります。 育児や介護を支援する制度や柔軟な働き方ができる環境は、従業員がライフイベントに応じてキャリアを継続しやすくなるため、退職率を低下させることがメリットです。
また、求職者からの注目度も高まり、優秀な人材を採用しやすくなることで、企業の競争力も向上します。
健康経営優良法人の認定を目指せる
福利厚生の充実は、「健康経営優良法人」の基準を満たすことにつながり、認定取得のプロセスがスムーズになります
認定されると健康経営を実践する企業として社会的信頼が高まり、採用市場でのアピールポイントにもなります。また、認定取得を目指す過程で、企業全体の健康意識や職場環境のさらなる改善も期待できます。
健康経営優良法人について詳しくは「健康経営優良法人制度とは?メリット・デメリットや申請方法などを解説」をご覧ください。
健康経営を目指す企業が取り組むべき施策と成功のポイント
健康経営を実現するためには、従業員の心身の健康を支える具体的な施策が必要です。ここでは、健康経営を目指す企業がまず取り組むべき3つの施策について、それぞれの重要性と成功のポイントを解説します。
健康診断・人間ドック補助
従業員の健康リスクを早期に発見できれば、重大な疾患による離職や医療費の増大を防げるようになります。
そのためには、健康診断や人間ドックを会社負担で実施・内容を充実させることが効果的です。勤務時間内での受診を許可したり、専用休暇を設定したりすることで、利用促進を図りましょう。
さらに、診断結果を活かし、健康測定イベントやフィットネス施設の活用を組み合わせるなど、従業員が継続して健康を意識できる仕組みづくりも重要です。
社員食堂・食事補助による健康管理
従業員の体調管理には、健康的な食事の提供が大きな役割を果たします。社員食堂や食事補助制度を通じて栄養バランスに配慮した食事を提供し、従業員の健康を支えることも検討しましょう。
その際、カロリー表示を導入するなど、従業員自身の健康意識を高める工夫も有効です。あわせて食育セミナーや健康キャンペーンを実施すれば、従業員が日常的に健康的な食生活を意識できるようになります。これらの取り組みは、従業員の体調管理を支援するとともに、生産性向上にもつながります。
柔軟な働き方と休暇制度によるメンタルヘルスケア
働き方の柔軟性と十分な休息の確保は、ストレス軽減や従業員の精神的安定に直結します。フレックスタイム制度やリモートワークの導入により、従業員が時間や場所にとらわれない働き方を選べる環境を整えましょう。
さらに定期的なメンタルヘルスチェックをおこない、必要に応じて適切な休暇を取得できる制度を設けることも重要です。
近年は、「子の看護休暇」や「親孝行休暇」「ボランティア休暇」など、ユニークな休暇制度を取り入れる企業も多くなっています。あわせて、長期休暇をとる従業員をフォローする側へのケアにも取り組めば、チーム全体のストレス軽減に大きく貢献します。
福利厚生を見直す時の流れとポイント
福利厚生の見直しは、従業員満足度の向上や企業競争力の強化に欠かせないプロセスです。ここでは、具体的な進め方とそのポイントについて解説します。
福利厚生費の現状を把握する
まずは、現在の福利厚生費用とその利用状況を詳細に分析し、課題を明確にします。例えば、従業員の利用頻度が低い制度に過剰な予算を割いている場合や、逆にニーズが高いにもかかわらず、十分な予算が確保されていない制度があるかもしれません。これらの課題を可視化することで、見直しの方向性を具体化できます。
従業員のニーズを調べる
福利厚生を見直す際には、従業員の意見をしっかりと収集することが重要です。アンケートやヒアリングを実施し、従業員が「あったらいいな」と感じている制度や既存の福利厚生に対する不満点を把握しましょう。その結果をもとに、従業員が本当に求めている福利厚生を優先的に検討することが、満足度の向上につながります。
福利厚生プランを検討する
法定外福利厚生の検討に際しては、「パッケージプラン」と「カフェテリアプラン」のどちらを採用するかもポイントです。
パッケージプランは全従業員に同じ内容を提供する形式で、導入が容易で管理コストも低いのが特徴です。一方、カフェテリアプランは従業員が自分のニーズに合わせて福利厚生を選択できる仕組みで、導入や管理に手間がかかる可能性がある反面、柔軟性は高くなります。自社の状況や目的に応じて、最適なプランを選択しましょう。
定期的にプランを見直す
福利厚生は一度導入して終わりではなく、社会や従業員ニーズの変化に合わせて定期的に見直すことが重要です。福利厚生の利用状況や満足度をモニタリングし、定期的なレビューをおこなえば、常に最適な制度を維持できます。変化に対応する柔軟性を持つことが、企業の成長と従業員満足度の向上には不可欠です。
健康経営を支援する福利厚生サービスの具体例
健康経営を成功させるためには、従業員の健康を支える福利厚生サービスを活用するのがおすすめです。ここでは、COSPAウエルネスが提供しているサービスを例に、具体的な取り組みのアイデアをご紹介します。
フィットネス施設と法人契約する
フィットネス施設との法人契約は、従業員が気軽に運動できる環境を整え、健康維持やストレス解消に役立ちます。全国展開の施設や地域密着型施設など、企業の規模やニーズに応じて選べることがメリットです。
例えばCOSPAウエルネスでは、以下の法人契約オプションを提供しています。
- 全国対応の「共通法人会員制度」:複数の施設を利用可能な柔軟なプラン
- 特定の店舗限定の「個店法人会員制度」:特定の施設の利用に特化した手頃なプラン
これらの契約を活用することで、従業員が効率よく健康を維持し、リフレッシュできる環境を提供できます。
オフィスジムを設置する
オフィス内にフィットネスマシンやストレッチ設備を設置することは、従業員が日常的に運動を取り入れやすくなる画期的な施策です。わずかな隙間時間でも運動できる環境を整えることで、業務の合間にリフレッシュ効果を得られ、結果的に業務効率の向上にもつながります。
オフィスジムは、特に運動習慣が定着しにくい従業員の健康を促進する手段として有効です。
健康づくりサポートを活用する
健康診断後のフォローや従業員の健康意識向上には、健康セミナーや出張測定イベントのような健康サポートも効果的です。COSPAウエルネスでは、以下のような取り組みを通じて、従業員の健康増進を支援しています。
出張・オンライン健康セミナー
「メタボ対策」「疲労回復のための栄養指導」「職場の腰痛予防」など、幅広いテーマでセミナーを開催します。オンライン形式や出張形式に対応しており、職場の状況や従業員のニーズに応じたカスタマイズも可能です。
出張測定イベント(運動指導)
筋力や柔軟性、体組成などの測定を通じて、従業員の健康状態を把握し、改善に向けたアドバイスを提供します。これにより、健康意識を高めるきっかけを作り、運動習慣の定着を支援します。
企業向けオリジナル体操
COSPAウエルネスでは、ユニークな福利厚生サービスとして、従業員の業務内容や職場環境に合わせて、オリジナル体操を企画・提供しています。特に、デスクワークや立ち仕事向けの体操は、「業務中の疲労軽減や事故防止に役立つ」と好評です。
まとめ
福利厚生の充実や従業員ニーズに応じた施策の導入は、従業員の健康維持をとおし、企業の生産性向上や社会的評価の向上を実現する健康経営においても重要です。
本記事で紹介したような、健康診断やリフレッシュ休暇、フィットネス施設との法人契約といった福利厚生制度の導入は、従業員の満足度を高めるとともに、企業の競争力を強化するうえでも有効です。また、従業員のライフステージや働き方に寄り添った柔軟な制度を整えることは、優秀な人材の確保と定着にもつながります。
COSPAウエルネスでは、フィットネスクラブの法人会員制度や健康管理サポートなど、企業のニーズに応じた多彩なプランを提供しています。企業の規模や目的に応じた最適な福利厚生プランをご提案いたしますので、健康経営の第一歩としてぜひ活用してみてください。
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